人が亡くなると、相続人同士で
「誰がどの財産を受け取るか」
を決める必要があります。
その“決めた内容”を書面にまとめたものが 遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ) です。
一言で言えば、
相続人全員の合意を証明するための正式な書類
というものです。
遺産分割協議書は生前には作れません
協議書が作れるのは、被相続人(亡くなった方)が亡くなってから。
生前は
- 相続人が変わる可能性
- 財産が変わる可能性
- 本人の意思が変わる可能性
などがあるため、協議書として成立しません。
生前に準備したい場合は「遺言書」や「財産整理」の方が適しています。
誰が作るの?
遺産分割協議書は、
- 相続人全員で話し合って内容を決め
- その内容を文書にして
- 相続人全員が署名・押印(実印) します。
銀行などの手続きで印鑑証明書が必要になるため、
実務では実印で作るもの と覚えておくと安心です。
遺産分割協議書がないと困る手続き
遺産分割協議書は
「あった方がいい」ではなく、
“ないと前に進まない” 場面がとても多い書類です。
- 預貯金の払い戻し・名義変更ができない
(口座が凍結したまま) - 不動産の名義変更(相続登記)が進まない
相続登記は司法書士が担当しますが、
その前提として 協議書が必要になることが多い です。 - 株式・投資信託の名義変更が止まる
- 車の名義変更に必要になることもある
相続の手続き全体が止まってしまうため、
協議書は欠かせない大事な書類です。
相続人が一人の場合は不要なこともあります
すべてのケースで協議書が必要なわけではありません。
相続人が一人だけの場合は、話し合いが不要になるため
遺産分割協議書を作らなくても手続きが進められるケースがほとんどです。
金融機関も、戸籍で「相続人が一人である」と確認できれば
協議書を求めないのが一般的です。
遺言書がある場合はどうなる?
遺言書がある場合、遺産分割協議書が不要になるケースもあります。
● 不要なケース
遺言書に、財産の分け方が 明確に指定されている場合
→ 遺言に沿って手続きが進みます。
● 必要になるケース
- 遺言に書かれていない財産がある
- 内容があいまいで手続きができない
- 現在の財産と記載が合っていない
- 相続人全員で遺言と違う分け方にしたい
このような場合は、
相続人全員で協議して協議書を作成します。
家族間でも「言った・聞いてない」は起こります
相続の話し合いは、どうしても口頭で進むことが多く、
時間がたつほど記憶が食い違いやすくなります。
たとえ仲の良いご家族でも、
- 「そんな話、聞いていない」
- 「あの時こう言ったはず」
といった行き違いが起こりがちです。
遺産分割協議書として書面に残しておくことで、
こうした誤解や後日のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
相続の手続きは、財産の種類や相続人の人数によって、
準備す相続の手続きは、財産の種類や相続人の人数によって必要な書類が大きく変わります。
特に、預貯金・不動産・証券などが複数ある場合は、
どの手続きから進めるべきか迷いやすく、途中で止まりやすいのが現実です。
行政書士に相談すると、
- 相続関係や財産内容を整理し、必要な情報をまとめるサポートができる
- 相続関係説明図や遺産分割協議書など、手続きに向けた書類を正確に整えられる
- 相続人間の連絡調整や書類のとりまとめがスムーズになる
- 銀行・司法書士・税理士など、次の専門家につなぐための準備が整う
- 「どこで止まっているのか分からない」という行き詰まりを防ぎ、全体の流れを管理しやすくなる
といったメリットがあります。
テンプレートでは対応できない場面も多いため、
確実に手続きを進めたい場合や、ご家族の負担を減らしたいときは、
専門家への相談も選択肢の一つです。
岡部あき子(行政書士)
小江戸川越より、行政書士事務所開業準備中のあれこれをお届けしています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の相談に応じるものではありません。
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