はじめに
「エンディングノート」という言葉を聞くと、
高齢になってから書くもの、家族のために残すもの——
そんな「終活」のイメージを持つ方が多いかもしれません。
けれど、実際には**“もしもの時”に自分や周りの人が困らないようにするためのノート**です。
家族構成は関係なく、自分自身のために書いておくことで安心できることがたくさんあります。
もしもの時、本当に連絡できますか?
突然の入院や事故があったとき、
「誰に連絡してもらいたいか」「どこに連絡すればいいか」を
あなた以外の人が把握しているでしょうか?
親・兄弟・友人など、いざというときに頼りたい人の連絡先が
スマホの中にしかないという方も多いのではないでしょうか。
でも、スマホのパスワードを知らなければその情報は見られません。
また、最近は年賀状じまいが増え、住所を知らないことも多くなりました。
古い年賀状を頼りに連絡しようとしても、すでに転居しているかもしれません。
郵便も以前のように翌日届くとは限らず、
連絡を取りたくてもすぐには伝わらないこともあります。
契約やお金の情報も“あなたしか知らない”かも
もしものとき、
- どんな保険に入っているのか
- どの銀行に口座があるのか
- 家賃・光熱費・サブスクの支払い方法
- 緊急時に頼れる人
こうしたことを把握しているのは、自分だけというケースもあります。
これらを整理しておくことは、
家族のためだけでなく、自分を守るための備えにもなります。
入院や災害、突然のトラブルなど、
思いがけない出来事のときに役立つ「生活の記録帳」としても大切です。
「遺言に書いたから大丈夫」ではないことも
中には、
「お葬式の希望は遺言書に書いたから大丈夫」
という方もいます。
ですが、自筆証書遺言は家庭裁判所での「検認」手続きが必要です。
この検認が終わる頃には、葬儀はすでに終わっていることがほとんど。
つまり、遺言書に葬儀の希望を書いても実際には間に合わないことが多いのです。
一方で、エンディングノートなら、
離れて住む家族でも置き場所を知らせておいたり、すぐに確認できる場所にあれば、
希望する葬儀の形や、連絡してほしい人などを伝えることができます。
自分のために書く「安心のノート」
エンディングノートは、家族のためだけではありません。
自分自身の生き方を整理するノートでもあります。
- どんな医療を受けたいか
- 延命治療についての考え
- ペットのこと
- 大切にしている物や想い出の扱い方
- SNSやデジタルデータの管理方法
こうしたことを整理しておくことで、
心の中が少し軽くなり、今の生活をより大切に感じるきっかけにもなります。
まとめ
エンディングノートは、「もしもの時に備えるノート」。
年齢や立場に関係なく、
自分の思いや希望を整理しておくことで、まわりの人も安心できるノートです。
「自分のために」「大切な人のために」——
どんな方にも、書いておいて損はありません。
「いつか書こう」と思ったその日が、書き始めるのに一番いい日かもしれません。
さいごに
私は現在、行政書士登録申請中で、日々勉強を重ねています。
この記事は、学びの中で感じたことや気づきをまとめたものです。
これから同じように「もしもの備え」を考える方の、少しでも参考になれば幸いです。
岡部あき子(行政書士登録申請中)
小江戸川越より、行政書士開業準備中のあれこれをお届けしています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の相談に応じるものではありません。
※行政書士登録申請中のため、現在は業務の受任を行っておりません。
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