前回のブログでは、「エンディングノート」は「もしもの時に備えるノート」とお話ししました。
エンディングノートとは？
書いておくことで、突然の入院や災害など、いざという時にも役立ちます。
最近は本屋さんでもさまざまな種類のエンディングノートが販売されています。
市販のものを買ってみて、少しずつ記入していくのも良いと思います。
今回は、エンディングノートに書いておくと良い内容の一部をご紹介します。
① 自分の基本情報
生年月日・住所・電話番号・血液型などの基本的な情報に加えて、
保険証・マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなどの保管場所も書いておきましょう。
万が一の時に、ご家族が手続きをスムーズに行えるようになります。
② 家族や親しい人の連絡先
家族や親戚の連絡先だけでなく、
大切な友人や知人についても、どんな関係の人なのかを書いておくと安心です。
また、「緊急時に連絡してほしい人」には印をつけるなど、区別できるようにしておくと分かりやすいです。
③ 医療・介護についての希望
もしもの時、延命治療を希望するかどうか。
入院や介護は在宅がいいのか、施設を希望するのか。
さらに、アレルギーの有無や持病、かかりつけの病院・医師の名前も書いておくと安心です。
ご本人の意思や健康情報が分かることで、家族の負担を減らせます。
言いづらいことでも、ノートに書いておくことで思いを伝えられます。
④ 葬儀やお墓のこと
宗派やお寺の名前など（例：○○寺）、
お葬式の規模・形式（例：家族葬）、
お墓や納骨についての希望などをまとめておきましょう。
「こんなふうに見送ってほしい」という気持ちを残しておくことは、
家族にとって大きな助けになります。
⑤ 財産・相続に関するメモ
預貯金、保険、年金に加えて、
不動産の情報（所在地・名義・固定資産税の納付先など）も記しておきましょう。
また、公共料金や携帯電話、インターネットなどの支払い方法（口座引き落とし・クレジット払いなど）も忘れずに。
どの口座から引き落とされているかを書いておくと、解約や名義変更の際にとても助かります。
※不正利用の恐れがあるので、クレジットカードの有効期限・暗証番号を書くのはやめましょう。
相続の分け方は遺言書に書くものですが、
エンディングノートでは「情報の整理」と「手がかり」を残すことが目的です。
⑥ 家族関係図の作成
ご自身を中心にした家族関係図を作っておくと、相続の際に手続きがスムーズになります。
「誰が誰の子どもで」「どこで暮らしているか」など、簡単なメモでも構いません。
遠い親戚や疎遠になっている家族も、書いておくと後々役立ちます。
⑦ ペットについて
家族の一員であるペットのことも忘れずに書いておきましょう。
・名前・年齢・性格や好きなこと
・かかりつけの動物病院
・フードの種類やお世話の方法
・もしもの時、誰に預かってほしいか
などを記しておくと安心です。
飼い主の思いや、ペットへのメッセージを書いておくのも素敵です。
⑧ エンディングノートと遺言書のちがい
エンディングノートは、遺言書ではありません。
書いておくことで家族の参考にはなりますが、法的な効力は発生しません。
「財産の分け方」や「相続の指定」など、法的に有効な内容を残したい場合は、
遺言書の作成を検討しましょう。
エンディングノートは、あくまで「思いを伝えるためのノート」です。
まとめ
エンディングノートは「もしものときのため」「安心してこれからを生きるため」のノートです。
自分の考えを整理し、家族や大切な人に思いを伝える――
それがエンディングノートの本当の役割です。
次回は、遺言書との違いをもう少し詳しくご紹介します。
岡部あき子（行政書士）
小江戸川越より、行政書士事務所開業準備中のあれこれをお届けしています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の相談に応じるものではありません。
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