父親に認知症の疑い…遺言書が作れなくなる前にできること
親の様子が「最近おかしい?」と気づくのは、いつも突然です。
判断力が弱くなってきた気がするけれど、まだ病院の診断がついていない。
そんな微妙な時期こそ、相続の準備で最も大切なタイミングです。
今回は、前回のブログとは反対の
「父に認知症の疑いがあり、家の名義人が父」
というケースで何が起こるのか、やさしく解説します。
ケースの概要
- 家の名義:父
- 住んでいる人:父と母
- 子ども:2人
- 父に認知症の疑いが出てきた(診断前)
- 母は元気で判断能力に問題なし
このような家庭は非常に多く、
相続が始まると 名義人の判断能力の有無 が大きなカギになります。
■父が認知症になると、遺言書が作れなくなる
遺言書は「書いた時に本人が内容を理解していること」が絶対条件です。
認知症が進むと、その判断能力がなくなり、
という状況になってしまいます。
特に自筆証書遺言は、
医師の診断や第三者の確認がないため、後から争われるリスクがとても高いです。
公証役場で作成する公正証書遺言なら、公証人が意思確認を行うため、
判断能力が疑われても「有効」と認められやすいという大きな違いがあります。
■ 父が判断できなくなると、家の管理がストップする
家の名義が父の場合、父が判断できなくなると
- 家の売却
- リフォームの契約
- 引っ越し
- 名義変更
こうした手続きが 母や子だけでは一切できません。
そのため、父が判断できない場合は、成年後見人をつける必要が出てきます。
成年後見制度は大切な制度ですが、
相続手続きや不動産の管理については、
家族の自由が効かなくなり、
家庭裁判所の関与が必要になるため、急に負担が増えてしまいます。
■ 今のうちに父がしておくべきこと
① 公正証書遺言の作成
認知症の疑いがある段階は、まだ間に合う可能性があります。
遺言書があるだけで、相続手続きがぐっと楽になり、
母や子どもの負担も大幅に軽減できます。
② 生前対策(家族信託など)
不動産の管理や売却をスムーズにする方法もありますが、こちらは別の記事で詳しく解説します。
まとめ
父に認知症の疑いが出たときが、遺言書作成の“最後のチャンス”になることがあります。
- 遺言書は判断能力があるうちだけ作れる
- 自筆証書遺言は無効リスクが高い
- 公正証書遺言が安心
- 父が判断できなくなると家の管理も止まる
- 成年後見が必要になる可能性がある
こうした事態を避けるためにも、
「まだ大丈夫」ではなく
「今だからこそできる準備」を進めていただきたいと思います。
行政書士としてお手伝いできること
遺言書の作成サポートをはじめ、生前対策や財産整理(財産目録の作成)などもご相談いただけます。
「うちもそろそろ準備を考えないと…」と感じた方は、どうぞお気軽にご相談ください。
岡部あき子(行政書士)
小江戸川越より、行政書士事務所開業準備中のあれこれをお届けしています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の相談に応じるものではありません。
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